取り外しのできる矯正装置はあります。一つは「床矯正」という方法です。これはワイヤーで締めつける矯正装置ではなく、取り外し式の入れ歯のような装置を使う矯正法です。約70年前にウィーンの歯科医により考案された方法で、主にヨーロッパで行われています。ドイツでは約7割がこの床矯正だそうです。

 

歯を正しい位置に動かすとともに、あごを正しい大きさに拡大します。床矯正装置にはスクリューが装着されており、ネジを巻いてスクリューを移動させることで、あごを広げたり歯を動かしたりします。

 

最大のメリットは取り外しができることです。基本的には食事中と歯を磨くとき以外は装着しておくほうが望ましいのですが、人と話すとき、外出時、仕事中などに外しておくこともできます。もっともこれがデメリットでもあり、不自由だからと外してばかりいると矯正治療はうまくいきません。

 

取り外しのできる矯正装置としてはもう一つ「ビムラー式矯正装置」というものがあります。これはドイツのビムラー博士が考案した方法で、ドイツではすでに過去50年以上の症例データがあります。筋肉と噛む力を利用した矯正装置です。取り外し可能で、就寝時と昼間2~3時間ほど装着します。3歳以上であれば可能です。ただし、きれいな歯並びになるには4年ほどかかります。

 

床矯正もビムラーの矯正も歯を動かすことだけではなく、あごの正しい発育を促すことで、自然に歯がきれいに並ぶようにするという考え方が基本にあります。これは「機能的矯正」と呼ばれる方法です。

 

 

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