スピード矯正とは

治療期間が長くなるからという理由で、矯正治療を断念される方も少なくありません。
スピード矯正とは、その名の通り、通常より短期間で終了する矯正治療です。

スピード矯正治療は一度切った骨は、回復すると以前よりも丈夫になるという性質を利用した治療法です。
歯の土台である骨の表面にヒビを入れる外科手術を用い、人間の自然治癒力を高めながら、無理のない期間での治療を可能にします。

具体的には、歯が生えている歯肉の下の骨(歯槽骨)の表層を皮質骨、内側を海綿骨と言いますが、表層の皮質骨の一部を除去する外科手術を行います。
この外科手術を併用した矯正治療は、日本ではまだ一般的とは言い兼ねますが、アメリカの専門医では1医院あたり年間300症例ほど行われているポピュラーな治療方法です。

歯並びや歯、歯ぐきの状態は十人十色で異なり、矯正治療期間はさまざまですが、一人ひとりの歯並びに応じた最新の技術を組み合わせることによって、多くの患者様が1年以内に治療を終了しています。

手術が不安な方に

手術と聞くと不安を感じる方もいるかもしれません。
当院では、治療方法について患者様に納得していただくまできちんと説明(カウンセリング)を行ないます。
また、頭では納得していても実際に緊張してしまうという方には、専門の先生による静脈内鎮静法をお勧めしています。

オペそのものにかかる時間は1時間ほどで、その後30分ほど冷やせば帰宅できます。もちろん、手術当日の入浴と飲酒は控える必要がありますが、普段と変わらない食事も可能です。
また、痛みが気になる方には、鎮痛剤をお出ししますので、うずくことはほとんどありません。

スピード矯正治療の基本は、非抜歯です(親知らずは抜歯をします)。
非抜歯で治療する場合、以下のような欠点が生じます。

非抜歯で治療する場合の欠点

顎が小さいことが不正咬合の原因となっている方は、顎を大きくする必要があります。
叢生(乱ぐい歯)を治療すると、口元が突出してしまうことがあります。
骨から歯が出てしまうため、歯肉の退縮を引き起こしたり、歯が抜けやすくなります。

これらを解決するためには、奥歯を親知らずの位置まで移動させる必要がありますが、従来の治療法では装置が複雑になり、治療期間も長期化してしまいます。