子どもの口臭の問題

口臭の問題は、お口の中だけでは解決できないことがあります。最終的には、全身的な問題や精神的問題、生活習慣上の問題などが、口腔生理に影響を与えて発生源となることが多いです。

ほとんどが、口腔内奥の3分の1の領域に問題をかかえます。非常に多くの関連因子が関与して複雑に連鎖しながら口臭を誘発します。口臭自体は健康な人にも存在するために、問題視しない歯医者が多いのも事実です。 もともと、胃腸が弱いと思われる子であれば、口腔の消化器としての機能が低下していることが考えられます。 咀嚼習慣や食生活習慣を見直す必要があるかもしれません。

また、子どもに舌磨きをさせているのであれば、直ちにやめましょう。小児の舌粘膜は非常に繊細です。粘膜構造を考えると、顔の表面の皮膚粘膜とは比較にならないくらい繊細なのです。あなたは、子どもの顔を舌磨き用のブラシを使ってゴシゴシ磨く勇気はありますか?あるいは、目の粘膜をブラシでゴシゴシ磨く勇気がありますか?舌を磨くことが習慣になれば、結局は口臭を解決できないばかりか、舌表面の舌乳頭を傷つけ、その結果、乾燥したり過敏な状態に悪化していくでしょう。そして唾液の質が低下し、唾液臭の発生につながっていくでしょう。

小児の場合は、磨き方によっては味覚障害を引き起こす可能性があります。長期の舌粘膜への物理的刺激は、口腔内の癌を誘発する可能性もあります。 最近は子どもの口臭を気にして来院される方が増えましたが、大切なことは、子どもに過剰なプレッシャーを与えないことです。成人の深刻な生理的口臭症は、小児時代に母親から口臭を指摘されたことが引き金になる場合が多いからです。子どもの口臭治療では子どもに与える精神的ストレスに対するフォローも大切になります。

口臭を起こしやすい食べ物

口臭を引き起こしやすい食べ物の一例として、原料が粉や微粒子のものがあります。ケーキやパンは、原材料のクリームや牛乳が口の中に入ると、すぐにもとの粉や粒子になってしまいます。

その上、緊張などで唾液が少なくなったときに舌表面に吸着しやすく、さらに糖分が含まれていると口の中のpH(ペーハー)は下がったままになるために、口臭がいつまでも続くことになります。

これらは、しばらくすると唾液の中の消化酵素によって分解され、酸とガスになり、口臭を引き起こす菌の活動が活発になることから、すっぱくて臭い口臭が持続して発生することになります。このような時は、太田胃酸のような胃酸を抑えるもの(成分としては炭酸水素ナトリウム)で適度にうがいすると、すぐに改善されます。胃酸には、中和する作用と緩衝作用(pHを安定させるもの)があるため、緊急時には有効です。