治療を受ける患者さんにしてみれば、治療した歯が一生もってほしいと思うのは無理もないことです。最近の歯科治療の技術はとても進歩しているので、一度治療した歯は半永久的に持つと思っている方も少なくありませんが、決してそんなことはありません。
では、詰めたりかぶせたりした歯は、何年くらいもつのでしょうか。自費治療の高価な歯なら一生もつのでしょうか?
歯は毎日使う道具ですから、どれだけ高価な歯でもすり減ったり壊れたりすることはあります。材質を考えれば、保険よりも自費の歯のほうが長持ちすることは事実ですが、保険で作ったかぶせ物などでも壊れることはまずありません。治療に使った材料自体は長期間のうちにも変化しませんが、かぶせ物や詰め物は噛み合わせや歯周病の状態によって再治療が必要になってきます。
歯を長持ちさせるのに大切なのは、普段のお手入れや定期的なメンテナンスをしっかり継続して行うということに尽きます。これは自分の歯はもちろん、治療した歯でも同様です。治療の内容にもよりますが、かぶせ物をした歯が再治療になるのは、一般に6~10年といわれています。思い出してみてください。治療してかぶせたり詰めたりした歯は、遅かれ早かれ再治療していることが多いのではないでしょうか。自分の歯と違って、一度治療した歯はどうしても寿命が短くなります。基本的に修理した歯は再治療が必要になり、そのたびに自分の母少なくなっていって抜歯に近づいていきます。
しかし、虫歯が再発したり歯周病にならないようにメンテナンスをすれば、さらに長持ちさせることは十分可能です。歯石や歯垢、口内細菌といった虫歯や歯周病の原因をコントロールすることが大事なのです。