歯周病は次のようなステップで症状が進んでいきます。見て分かるように、症状が進むと大切な歯を失うことになりますので、注意が必要です。
1.歯を磨くと血が出る
2.ときどき歯肉が腫れる
3.口臭が出る
4.歯が長くなったように見える
5.歯と歯の間にすき間ができて、食べ物が入りやすくなる
6.歯が動くようになり、よく噛めなくなる
7.歯がグラグラになり、やがて抜けてしまう
これを歯周病の重症度に分けて説明すると、次のようになります。
●歯肉炎
歯と歯茎のすき間にプラークが溜まり、歯肉に炎症が起こって赤く腫れて歯周ポケットになります。プラークはやがて石灰化して歯石になり、ここではまだ骨の吸収はありません。
●軽度歯周炎
歯周ポケットが深くなり、細菌が増えてきて炎症は進みます。歯の周りの歯槽骨が吸収され、歯を支えている周りの組織がじわじわと壊されていきます。
●中等度歯周炎
さらに炎症が悪化して歯槽骨は破壊され、歯がグラついてきます。
●重度歯周炎
歯の根の半分近くまで歯槽骨が壊されて歯がグラグラになった状態。すでに手遅れで、まもなく歯は抜けてしまいます。
歯周病がどのくらい進行しているかを知る目安は「歯周ポケット」の深さです。歯周ポケットの深さは、健康な歯茎では1~2ミリですが、中程度の歯周炎があると3~5ミリになり、進行すると6ミリ以上になることもあります。歯周ポケットの中にたまったプラークでは細菌は繁殖しやすく、硬くてブラッシングでは取り除けない歯石ができて、歯茎の炎症はどんどん進んでいきます。その結果、歯を支える歯槽骨を溶かしてしまいます。
歯周病は冠動脈疾患の発症率を上げるという報告もあり、心臓病や糖尿病などをはじめとするさまざまな全身疾患に影響を与えると考えられています。