1983年に発足した日本歯科東洋医学会では、「全身の状態が口腔に投影される」という東洋伝統医学の教えを礎に活発な活動を展開しており、数多くの臨床例が報告されています。
その中で具体的に期待されているものでは、まず直接口腔内患部に塗布する外用として「止血と痛みの緩和」「歯茎の腫瘍・口腔ガン・歯周病・歯槽膿漏」などがあげられます。一方、患者さんが飲む内服では「肝臓の働きを改善することによる口臭の解消」「歯茎や口腔ガンの改善」「血の改善による歯槽膿漏の治療」などが注目されています。
歯科医院では当然、口腔内診察が不可欠ですから、「舌診」をするのは極めて自然です。つまり歯科医が例えば舌の色、舌の形、苔の色、苔の形から診断可能になるだけでも、歯周病やドライマウス、口臭症、口腔内粘膜疾患、三叉神経痛など、あらゆる疾患に対応できるというわけです。
現状では、漢方を臨床に応用している最先端歯垢の歯科医院は、熱い注目を浴びているとはいえ、それほど多くありません。日頃から漢方薬を使用している方は、歯科医に伝えるといいでしょう。