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歯科と関わりが深いアレルギーについて

こんにちは。 歯科衛生士の渡邊です。   患者さんの中には、 「金属の被せ物をいれてから体に湿疹ができてしまった」 「ゴムの手袋で触ると口周りが荒れます」 「アルコールを使うと赤くなります」 と言われる患者さんがみえます。 今回は、そんなアレルギーについてお話していきたいと思います。   ☆アレルギーとは 生き物には自分の身体を外の敵から守るための、細胞レベルのミクロなしくみ、“免疫”があります。免疫を担当している細胞は、外の敵を見分けて仕事をしていて、無害なものはスルーしておくのがいいのですが、無害なものを間違って相手にしてしまい、その結果自分にとって不都合なことが起きてしまうこと、それが“アレルギー”です。 相手にされてしまった無害なもの(タンパク質でできていて、アレルゲンといいます)は身体に侵略する意図をもっていないので、身体の表面に付着している状態です。 身体の表面は、皮膚と粘膜でできています。そのうちのどこの場所でアレルギーが起きているのか、そして何をアレルゲンとして反応しているのか、それによってアレルギー疾患はアトピー性皮膚炎や気管支喘息といった名前がついていて、異なる症状がみられます。   今回は特に歯科と関わりが深いアレルギーについてお話していきたいと思います。     ☆金属アレルギー 歯科では金属を使うことも多く、金属アレルギーも気になります。金属そのものに免疫反応は起こせないので、人体のタンパク質の構造を金属が変化させることで起きると考えられますが、詳しいことはわかっていません。 皮膚パッチテストをすると陽性となることが多いのですが、そのことと症状とが結びつくのかは判断が難しいところです。実際に金属を除去して症状が改善するかどうかで判断せざるをえません。     ☆ラテックスアレルギー 歯科で関係するアレルギーの代表は、ラテックスアレルギーです。これは天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質に対して免疫反応が起こり、症状がみられることです。天然ゴム製手袋、歯科用ラバーダム、歯科矯正用エラスティックなどの接触によって起きます。ラテックスが含まれていない製品を使うことで症状を防ぐことが可能です。 ラテックスと耕造が似ている果物の抗原にも反応が起きることがあり、ラテックス-フルーツ症候群といいます。 アボガド、キウイフルーツ、栗、バナナがハイリスクといわれていますが、それ以外の果物でもアレルギーが起こりえます。   アレルギーのある子どもたちは、普段は普通に元気に過ごしています。 ですが、たとえば食物アレルギーがあれば、原因となる食物を食べることができなかったり、間違えて食べると症状が起きてしまったりします。   健康を守る私たちは、職種の壁をこえて、アレルギーのある子どもたちの生活を多角的にサポートしています。 お口の中の専門家も、もちろんその仲間なのです。     当医院では、初めて来ていただいた患者さんに必ず問診を行っております。 その際に薬、食物、ゴム等のアレルギーがある方は問診表に記載していただくか、直接お申し出ください。   ご自身が金属アレルギーか不安な方は、被せ物を入れる前に皮膚科に紹介状を書いて詳しく検査を受けていただくようにしています。 また、ラテックスアレルギーの方にはアレルギーが出ないように手袋の種類も変えておりますので安心してご来院ください。