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矯正治療後の“保定”ってなに?その重要性と注意点について

こんにちは。歯科助手の池戸です。

今回は「矯正治療後の保定」についてお話します。

矯正治療と聞くと、ワイヤーやマウスピースを使って歯を動かす期間をイメージする方が多いかもしれません。しかし、実は矯正治療は「歯を動かす期間」が終わった後も、重要なプロセスが続きます。それが「保定」と呼ばれるステージです。

保定とは?

保定とは、矯正によって動かした歯をその新しい位置に安定させるための期間と処置のことを指します。歯は動かされた後すぐにはその場所に固定されるわけではなく、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすい状態にあります。そのため、保定装置(リテーナー)を一定期間装着することで、歯やその周囲の骨、歯肉が新しい位置に適応するのを助ける必要があります。

なぜ保定が重要なのか?

矯正治療には時間も費用もかかります。その努力が無駄にならないためにも、保定は非常に重要です。特に以下のような理由から、保定期間をしっかり守ることが求められます

  • 後戻り防止:歯はきれいな歯並びになった後も元の位置に戻ろうとする力が働きます。
  • 骨や組織の安定化:動かした歯の周囲の骨が完全に固まるまでには時間がかかります。

保定装置の種類

保定装置にはいくつかの種類があります。

  • 取り外し式リテーナー:透明なマウスピース型や、ワイヤーが付いたプレート型があります。
  • 固定式リテーナー:前歯の裏側にワイヤーを接着するタイプで、見た目には分かりにくく、24時間装着されるのが特徴です。

保定期間はどれくらい?

矯正治療にかかった期間の3倍の保定期間が推奨されます。初めは、1日20時間以上の装着が必要なこともありますが、その後は夜間のみの装着で過ごします。

最後に

矯正治療は、歯を動かすことがゴールではありません。本当のゴールは、「整った歯並びと咬み合わせを一生キープすること」です。そのためには、保定期間をおろそかにせず、リテーナーの装着と定期的な通院をしっかりと守ることが必要です。矯正治療の成功は、保定の努力にかかっていると言っても過言ではありません。

たとえ矯正装置が外れて見た目がきれいになっても、保定を怠ることで数か月後には歯が少しずつ動き、せっかくの美しい歯並びが崩れてしまうこともあります。「もう終わったから大丈夫」と油断してしまいがちなこの時期こそが、実は最も大切なステージなのです。

また、矯正後の歯並びを長く維持することで、見た目の美しさだけでなく、虫歯や歯周病の予防、さらにはかみ合わせによる身体への悪影響の軽減など、長期的な健康メリットも期待できます。

矯正治療を通じて得た「自信の持てる笑顔」は、人生を豊かにする大きな財産です。その笑顔を守るために、少しの努力と習慣を大切にしていきましょう。

もしリテーナーの使用方法や保定期間について不安や疑問がある場合は、遠慮せずにご相談ください。

矯正治療は「終わった日」からが、本当の意味でのスタートです。

新しい歯並びとともに、これからの毎日をもっと快適に、もっと素敵に過ごしていきましょう。