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タバコが与える口腔内への影響

皆さんこんにちは、歯科助手の水野です。 今回は、タバコが口腔内にどのような影響を与えるのかについてお話させて頂きます。   私たちの脳には、ほっとする、落ち着く、安らぐなどの気持ちを生み出している神経が存在します。 そういった良い情報の刺激が脳に伝わると、アセチルコリンという物質が出てきます。 アセチルコリンは脳内の神経に結合します。 すると神経が興奮し、電気が流れます。 すると今度は脳の前方のある部位からドーパミンという物質が分泌され、それが幸福感を生み出しています。     アセチルコリンはヒトの身体の中にある物質ですが、ほかにもこのアセチルコリンに似た物質があります。 それが植物のタバコが作るニコチンです。 タバコを吸って5~10秒もすると、肺から脳へ血液の流れに乗ってニコチンがやってきて、アセチルコリンの代わりにニコチンが神経に結合します。 するとその瞬間、良いことが何もなくても神経が興奮して、ドーパミンが出て幸福感を生み出します。     タバコはお口の健康にも影響してきます。 歯周病やむし歯だけでなく口腔がんのリスクも高まると言われています。 タバコの煙には約200種類の有害物質が含まれ、そのうち約70種類が発がん性物質です。   例えば… お口の粘膜 ・口腔がん ・前がん病変..110 ・口内炎 ・カンジダ症   歯ぐき(歯肉) ・色素沈着 ・歯周病   歯 ・着色 ・歯石沈着 ・むし歯   舌 ・味覚減退 ・黒毛舌   その他 ・口臭 ・唾液の変化 ・子どもの受動喫煙による乳歯のむし歯   歯科治療 ・インプラント治療の失敗などがあります。   また、タバコを吸っている人の歯ぐきは黒ずんでいることが多いです。 これはタールが付着しているのではなく、タバコのニコチンによる刺激で歯ぐきの内部にあるメラニン色素生産細胞が活性化し、組織が黒ずみ、それが透けてみえます。 紫外線の刺激で肌が日に焼けるのと同じ原理です。   ですが、禁煙すると歯ぐきへの血流量も改善し、禁煙5日ほどで非喫煙者と同じくらいに回復します。   血液は酸素や栄養、細菌と戦う免疫細胞を運んでくれます。 なので、血液が回復すると傷の治りがよくなったり、再感染の防止になります。 そのため歯医者さんは、歯周外科やインプラントなど、外科治療の前には禁煙をすすめています。 このように、タバコが口腔内に及ぼす影響は様々です。 知らぬ間に進行していることがほとんどなので、早めに禁煙していきましょう。 また早期発見早期治療のためにも定期健診をおすすめします。