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中日新聞2023年12月25日掲載コラム「神経がなくても矯正治療できる?」

    Q:虫歯の治療をして神経がない歯があるのですが、歯列矯正(自由診療)できるでしょうか。   A:基本的には歯列矯正は可能です。その理由について歯が動くメカニズムについてお話させて頂きます。 歯は骨(歯槽骨)の中にありますが歯と骨の間には繊維(歯根膜)が介在しています。 歯根膜は歯の刺激が直接歯槽骨に加わらないクッションの役目をしています。 歯に矯正力が加わると力の加わった方向の歯根膜が圧迫(圧迫側)され反対側(牽引測)歯根膜が延びます。 歯根膜の圧迫側は歯根膜の厚みを保つため歯槽骨が吸収され牽引測は隙間を埋めるために骨が出来ます。 この歯槽骨の添加と吸収で歯が動きますので歯の神経が無くても歯根膜が健全であれば歯列矯正は可能です。 歯根膜が無く歯槽骨と歯が直接結合している歯(アンキローシス)や 歯の根に膿が貯まっている場合は歯列矯正が出来ない場合があります。 また、神経の無い歯は被せ物(補綴処置)がしてある場合は歯列矯正前の歯並びで 被せ物作っていますので歯列矯正治療後は綺麗なかみ合わせに合わせた補綴処置が必要な場合があります。