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高齢者にとっての口腔ケア

こんにちは。遠藤奈穂です。 今月は私が担当いたします。 今月からシリーズで、高齢者にとっての口腔ケアを 書いていきたいと思っております。 日本は今や超高齢社会です。 その、日本を今まで支えて来てくださった年代の方が、介護の時期を迎えようとしています。 一説に、人間の細胞は、この地球上で正常に生きていくのには、120年が限度だと言われています。 それまでには、様々な、病気や、入院もあると思います。 その際にも、口腔内を清潔に保っていく事が、大切になっていきます。 セルフケア、だけではなく、ご家族にケアしていただかなくてはいけない方もいらっしゃるでしょう。 不安がたくさんあると来院される患者様にお聞きしたりする事もあります。 その、不安が、少しでも解決していただけるように、 色んな小さなテーマに沿って、解説していきたいと思います。   まずは、口腔ケアついて… お口の健康は、高齢者の生活の質(QOL)を向上させる出発点です。 口腔ケアは虫歯や、歯周病、口臭の予防だけではなく、生活にリズムを作り、 食べることや、話すこともサポートして、QOL(生活の質)を、向上させる目的もあります。ご自分のお口で、「美味しく食べる」事は、大きな楽しみであり、生きる意欲にもつながります。 気力も回復できる一つのきっかけにもなります。 寝たきりでほとんど反応がない人も、口の中が綺麗になれば、ピンク色の粘膜がよみがえり、表情も明るく見えると共に、誤嚥性肺炎のリスクも低くなります。   見過ごされがちな高齢者のお口のトラブル 他人のお口の中はプライベートな部分で、普段なかなか見る機会がありません。   口腔ケアをしようと思っても、なんとなく、覗き込みにくかったり、食事や排泄など、他の介護の後回しになってしまったりして、口の中のトラブルには気付きにくいようです。 「老人臭」と言われる高齢者特有の匂いは、排泄物のせいと思われていましたが、実は、口腔ケア不足による口臭が原因の場合もあります。 たかが、口の中の汚れと思われがちです。 口の中のトラブルで、死ぬ事はないと軽視されがちです。 しかし、口に何らかの原因で、痛みがあれば食欲が落ちて体力が低下しますし、お口の中の細菌が原因で、誤嚥性肺炎が起こり、命を落とすこともあるので、要注意です。   綺麗なお口の好循環 口の機能をよく使う(よく噛む、人と話す)→口腔ケアで、お口の中の環境を改善する→お口の爽快感や、口腔内機能の改善で食欲が増す→食べる事が楽しくなる→食べる事で、体力や、免疫力が向上する→活力がみなぎり、積極性が増す?毎日が楽しい     汚れたお口の悪循環 口の機能を使わない(人と話さない、きちんと食べない)→口の中が不潔→食欲がわかない→食べられない、美味しくない→体力や、免疫力が低下する→閉じこもりがち、消極的になる?毎日楽しくない   ここまでお話すると、では、口腔ケアって言うけど、どんな事をするのかと思われると思います。 ざっくりとお話ししますと、 ・口腔清掃:ブラッシング :粘膜の食物残渣の除去 :歯垢、歯石除去  など ・義歯の着脱の手入れ ・口臭の除去 ・口腔乾燥の予防 ・口腔の痛みの軽減 ・口腔出血の防止 ・咀嚼、接触、嚥下のリハビリ ・歯肉、頬部のマッサージ ・咀嚼筋、口腔周囲筋、舌の運動   ・リハビリテーションとしての言語訓練 ・口腔内の観察 など   です。 個々については、また、次号からお話ししていきますね。   2月に入り、益々寒暖差が激しくなったように思います。 皆様、くれぐれも体調管理にお気をつけください。