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2022年4月中日新聞掲載コラム

以前から時々歯茎から出血がありましたが、最近右の奥歯が少しぐらぐらしています。 歯周病が進んでいるということでしょうか?   歯周病の最初の兆候は歯肉からの出血です。 「痛みなどは無いから大丈夫。」と、安易に考えがちですが歯ブラシで出血するのは歯肉に炎症があるからです。 歯周病は細菌の感染により引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯茎(歯肉)のすき間(歯周ポケット)から侵入した細菌が炎症(出血)を引き起こします。進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて歯がぐらぐらしてきます。進行すると歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気ですが、それ以上に全身との関りも分かってきています。歯周病菌が産生する毒素や炎症反応物質などが、歯茎の毛細血管を通して全身に悪影響を及ぼします。特に心臓血管疾患、糖尿病、低体重児出産などのリスクが高まります。また、唾液に含まれる細菌が気管支に入ると気管支炎や誤嚥性肺炎の原因になります。 30歳以上の成人の約80%が罹患していると言われていますのでかかりつけの歯科医院で定期健診を受診されることをお勧めします。