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ステイホームで歯磨き

みなさん、こんにちは!   今回5月の歯の豆知識を担当させていただきます、歯科医師の中町侑右です。 よろしくお願いします。   新型コロナウイルスの猛威も少しずつ落ち着いてきましたでしょうか。 岐阜県も緊急事態宣言が5月中旬に解除され、少しずつですが今までの日常が戻ってきている様な気もします。長い自粛生活が続きましたが、ここで油断してしまってはまた第二波、第三波が来ると予想されてますので、ウイルスが身近にあるという意識は常に持って行動しないといけません。 みんなで協力して乗り越えましょう!!   さて、自粛生活を強いられるなかで、多くの方がお家で過ごす時間が多くなったのではないかと思います。 ステイホームという言葉もいまや毎日耳にするようになりましたが、やはりお家でやれることというのは限られてきます。 なかなか普段は仕事などで忙しくて時間がない方にとっては自分の生活習慣やルーティンを見つめ直すいい機会になっているかもしれません。 その中で今回お話させていただきたいのは、歯科に関わる毎日のルーティンである、歯磨きについてです。     歯磨きをする理由   いま、歯を失ってしまう1番の理由は歯周病と言われています。 虫歯も身近な疾患ではありますが、実は歯周病の方が患者さんの数が多いのです。成人の方だと約9割の方が歯周病にかかっていると言われているので、ほとんどの方にとって人ごとではない話です。ではどうすれば歯周病を治すことができるのか、予防することができるのか。 重要になってくるのは毎日の歯ブラシと定期的な歯科医院でのクリーニングです。 歯周病は食べかすなどのプラークと呼ばれる汚れがお口の中に残ってしまうことによって、歯ではなく歯を支える周りの組織である歯茎や顎の骨が炎症を起こし、骨まで溶かしてしまう疾患です。 つまりプラークを取り除くことができれば歯周病を予防することができるのです。     歯周病とは   歯周病は大きく2つに分けることができます。1つが歯肉炎、もう1つが歯周炎です。 歯肉炎は炎症が歯茎にのみ存在しているということです。 歯茎が炎症によって少し腫れている状態を歯肉炎といいます。逆に歯周炎は歯茎が腫れているだけでなく、歯茎と歯との付着が失われている、また顎の骨まで炎症が及び骨を溶かしてしまっている状態です。この場合にポケットは5mm以上の大きな数字になってしまいます。 歯肉炎の段階なら適切なブラッシングや歯科医院でのクリーニングで治る可能性もありますが、歯周炎になると完全に元の状態に治るのは難しいです。 一度溶けてしまった顎の骨は、自然に元に戻ることはないのです。ですので早い段階で対応することによって歯周病は進行を抑えることができるのです。     歯周病の検査   歯周病の原因となるプラークは歯と歯茎の間の隙間に溜まりやすいと言われています。この隙間のことをポケットと言います。 当院でも初診で来ていただいた方や定期的にメインテナンスさせていただいている方などに歯周病の検査をさせていただいていますが、この検査でポケットの深さを測っています。正常なら1〜2mm程度、3〜4mmなら少し歯茎が腫れている状態、5mm以上になると歯周病が進行していることを示しています。 毎日のブラッシングで適切にプラークを取り除くことができていれば1〜2mmの正常値になりますが、たまに歯ブラシをさぼってしまったり、どうしても磨きにくいところなどがあると3〜4mmの部位ができてしまいます。 成人の方で9割が歯周病ということはほとんどの方がどこかの歯に3mmというポケットが存在しているということです。   次回は歯磨きについてもっと詳しく!   今回は歯周病について詳しくお話させていただきました。 その歯周病の予防に1番大切なのは毎日の歯磨きです。   次回からは歯ブラシや歯磨き粉の選び方や、 磨き方のコツについてもっと詳しくお話ししていきたいと思います。