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むし歯について

こんにちは。えんどう歯科・矯正歯科クリニック歯科医師の梅原康次郎です。 今回の歯の豆知識は「虫歯」について説明させて頂きます。 今回はよく質問を頂く Q1 虫歯はどうしてできるの? Q2 どうして虫歯になると歯が痛くなるの? Q3 水やお湯がしみるのは虫歯ですか? の3つに絞ってお答えしていきたいと思います。   Q1 虫歯はどうしてできるの? A1  口の中にいる虫歯原因細菌(主にストレプトコッカスミュータンス菌)が、糖質(砂糖)を利用して歯の表面にプラーク(歯垢)と呼ばれる水に溶けないネバネバした物質をつくります。このプラークが細菌をすみやすくし、その中の虫歯原因菌が糖質を利用して酸を作り、その酸が歯の表面を溶かすことで、虫歯となります。   お口の中には300~700種類もの菌がいると言われています。そしてプラーク1グラムの中には1000億個の菌がひそんでいます。しかし全ての菌が虫歯を作る訳ではありません。ストレプトコッカスを代表とする虫歯菌は糖質などの栄養を摂取すると酸を排泄するのに対して、栄養を摂取すると排泄物として茶色や黒の色素のみを排泄する色素産生菌なんて種類の菌もお口の中にいます。この色素産生菌により歯が黒くなると虫歯と見間違えてしまう事もあります。   ≪きれいな歯≫   ≪プラークがたくさんついた歯≫   Q2 どうして虫歯になると歯が痛くなるの?   A2  すりむいたりケガした時に風が当たると痛くなるのと似ています。むし歯のケガの一番の違いは、虫歯は自然治癒をしないということです。歯の中に、神経がかよっている歯髄とよばれるところがあり、虫歯が進行して歯髄に近くなると、冷たい物、酸味のある物は神経を刺激して痛みが出ます。虫歯が神経まで達すると、神経が炎症を起こすため、食べたり飲んだりしていない時にも痛みが出るようになります   虫歯になったからと言って必ず歯が痛む訳ではありません。歯は外側からエナメル質→象牙質→歯髄(神経)という順番に層をなしていきます。虫歯が進行していく順番も基本的にエナメル質から順番に進行していきます。もし虫歯がエナメル質内に限局していたら歯は痛くなりません。虫歯が象牙質まで到達すると、甘いものや冷たいものがしみる様になります。これは象牙質には細いストローの様な管が無数にあり、その管を伝って刺激が神経に伝わるから痛みがでるのです。     遠藤院長の著書「歯医者さんの治療がよくわかる本」より   Q3 水やお湯がしみるのは虫歯ですか?   A3  しみる原因は二つ考えられます。ひとつは虫歯です。中程度の虫歯では水や甘い食べ物がしみます。お湯もしみる時は、虫歯がかなり進行して、神経にまで及んでいる時です。もうひとつは、知覚過敏といって、歯が咬んでいくうちにすり減ったり、歯ブラシ圧が強かったり、くいしばりなどにより歯肉が下がって、歯の根が出て、神経が過敏になっている時にもおこることがあります。お湯がしみる、寝入りばな、体が暖かくなると痛む場合は、歯の根の先に膿を持っていることもあります。   歯茎の下にはエナメル質がありません。歯茎が下がってしまうと直接象牙質がむき出しになってしまいます。Q2でお話したように象牙質には無数の管があるので、虫歯でなくても刺激がそこを通って、歯の痛みにつながってしまいます。     今回は質問が多い事に対して簡単に記載させていただきましたので、一概にこれらが全てではありません。 体調によって虫歯のしみ具合が変化する事もありますし、全くしみない深い虫歯もあります。色素産生菌の色はなかなか歯医者さんの様な虫歯を見慣れている人でないと見分けはつかないと思います。 虫歯は擦り傷などとは違い自然に治るものでもないので、少しでも不安な事があればひどくなる前に近くの歯医者さんで検診と相談をうける事をおすすめします。