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知らないうちに進行する?歯周病のこわい話

こんにちは。

歯科助手の中島です。

皆さんは「歯周病」という病気をどれくらいご存じでしょうか?
実は、日本人が歯を失う原因の第1位がこの歯周病です。

しかも、30歳以上の成人の約8割がかかっているとも言われており、もはや「国民病」とも言える存在です。

また、2001年のギネスブックには「世界で最も患者の多い病気は歯周病である。 地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」 と掲載されました。 この記録は2001年に登録され、約20年経った現在でも世界一の座に君臨し続けており現在に至っています。

今回は、そんな歯周病の正体と、予防・対策についてご紹介します。

■ 歯周病ってどんな病気?

歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に細菌がたまり、歯ぐきや骨が炎症を起こして破壊されていく病気です。初期の段階では「歯肉炎」と呼ばれ、歯ぐきの腫れや出血が見られますが、痛みがほとんどないため、多くの人が気づかないまま進行してしまいます。

さらに進行すると「歯周炎」となり、歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜けてしまうことも。虫歯と違い、進行がゆっくりなうえ、痛みが少ないため「沈黙の病気」とも言われています。

■ 歯周病と全身の健康の関係

近年の研究では、歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康にも深く関係していることがわかってきました。例えば…

  • 糖尿病:歯周病があると血糖値のコントロールが難しくなり、逆に糖尿病があると歯周病も悪化しやすいという「相互関係」があります。
  • 心疾患・脳卒中:歯周病菌が血管に入り込むことで、動脈硬化を引き起こしやすくなるとされています。
  • 妊娠トラブル:妊婦さんが重度の歯周病を抱えていると、早産や低体重児出産のリスクが高まることも。

つまり、歯周病は「お口の病気」でありながら、「全身の健康リスク」にも関わる、非常に重要な病気なのです。

■ 歯周病の予防は「毎日のケア」と「定期的なチェック」

では、どうすれば歯周病を防げるのでしょうか?
大切なのは、毎日の正しい歯磨きと、歯科医院での定期的な検診です。

歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間の汚れには、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。加えて、歯科医院でのプロによる口腔内のお掃除で、磨き残しや歯石をしっかり除去することが、歯周病予防の近道です。

また、定期的な検診では、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さをチェックし、早期発見・早期治療につなげることができます。

■ まとめ

歯周病は、誰にでも起こりうる身近な病気です。
気づかないうちに進行し、気づいたときには大切な歯を失ってしまうこともあります。ですが、正しいケアと定期的なメンテナンスを続けていれば、歯周病は防ぐことができます。

「最近、歯ぐきが腫れやすい」「朝起きると口の中がネバつく」など、少しでも気になるサインがあれば、ぜひ一度歯科医院にご相談ください。

あなたの大切な歯を守るために、今日からできることを始めてみませんか?