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『乳歯』について

今月の歯の豆知識は歯科医師の花井 徹が担当させていただきます。 今月は『乳歯』について、   乳歯は何本生えるの? いつ生えるの? 役割や永久歯との違いは?   など、基礎知識を簡単にお話しさせていただきます。   乳歯は全部で20本で、それぞれに名前がついています。 乳歯が生えることでものを噛むことができるようになり、顔の形も整います。 子どもにとっては「自分で食べる力をつける」役割も担っています。 順番や時期が異なる場合もありますが、生後8か月から下の乳中切歯、上の乳中切歯の順に生え、 そのあと前から奥へと順に、2~3年かけて生え揃います。     【乳歯が生える順番(乳歯はアルファベットで呼ばれています)】   3歳で生えそろった乳歯もしっかりとかみ合ってきたとき、 あごの骨の中にはすでに永久歯が育っているんですよ。     乳歯には主に4つの役割があります ①食べ物をかむ よく噛むことは子供の成長・発達に必要な栄養が効率よく吸収されるというとても大切な役割を持っています。   ②発音を助ける たくさんの言葉を覚えていく幼児期は歯が健康であることで正しくキレイな発音が身に付くようになります。   ③あごの発育を助けて顔の形を整える 日々成長する子どものあごは、よく噛むことで発達します。逆によく噛まないと、あごが十分に成長せず永久歯が生えてくるスペースが狭くなり、結果としてガタガタの歯並びになってしまいます。   ④永久歯が生えるときの目印になる 乳歯から永久歯に生えかわる時期に、乳歯の根っこは吸収されて次に生えてくる永久歯を誘導します。むし歯などで乳歯を失うと、後から生えてくる永久歯にも問題が出てくることがあります。     乳歯の大切な役割を知ってもらえましたか? 「生えかわるから」と粗末にして、大きなむし歯ができたり、早くに抜けてしまうと *噛む効率が悪くなる → 偏食の原因に *発音の問題 → うまく話せない *あごの成長の問題 → 顔の形の不調和 *噛み合わせが悪い → 歯並びが悪くなる などの症状を引き起こします。     次に乳歯の特徴です 乳歯は、永久歯に比べて歯の表面のエナメル質が薄くて弱いので、むし歯になりやすく、 また神経が大きいためあっという間に痛みがでてきます。     乳歯の奥歯の間はすきまがないため、歯ブラシがあたりにくく、 むし歯ができやすい場所です。   ダラダラ食べや、甘い飲み物を飲んだままの状態でいると、 口の中が汚れたままになり、むし歯が広範囲に広がることがあります。     乳歯のむし歯治療や予防、歯並びについてはまた別の回でお話しさせていただきます。