皆さんこんにちは!
1月の歯の豆知識を担当させていただきます、歯科医師の近藤です。よろしくお願いします!
2020年ということで、オリンピックイヤーの年になりましたね!令和2年となり、新しい年を迎えましたが、まだまだ肌寒いこの時期に体調を崩す方も多いので手洗いうがいなどから気を付けていきましょう。
さて、今回のテーマは『歯周病と全身疾患』についてです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、歯周病は様々な疾患と深く関係しているといわれています。心疾患や糖尿病、低体重児出産などの全身疾患との関係は多岐にわたり、『ペリオドンタル・メディスン』とも呼ばれています。ではどのようにしてこれらの疾患と歯周病が関係しているのか、お話ししたいと思います。
まず大前提として、両者のリンクの根底には『炎症』があります。歯周病の世界ではこの炎症を見つめ直そうという考えが広まってきました。皆さんも経験があるように、歯周病の治療の際に歯茎の検査で歯と歯茎の間の深さを測る(歯周ポケット)ことでどのような状態かを確認していきますが、この歯周ポケットの深さだけでなく、BOP(Bleeding on Probing:プローブ時出血)をなくすことが歯周病治療のゴールとして非常に重要であることが近年言われています。
今回は歯周病と糖尿病に着目してご紹介したいと思います。
まず、糖尿病の概念として①高血糖で代表される特徴的な代謝異常、②その原因としてのインスリン作用の不足、③代謝異常が続くと特有の合併症が起こるなどの特徴があります。また、糖尿病は大きく分けて2つに分かれ、1型と2型があります。糖尿病患者の約9割が2型とされており、この2型は予防可能です。
では糖尿病によって高血糖状態が持続するとどのようなことが引き起こるのでしょうか。糖尿病で血糖が高い状態が続くと、様々な合併症が起こるとされています。これは免疫機能の低下によるもので、易感染状態(感染しやすい状態)になります。歯周病は感染症の一つとされているため、糖尿病の合併症の一つに挙げられています。
また、糖尿病と歯周病の両者間には双方向性の関連があるといわれています。つまり①糖尿病⇒歯周病と②歯周病⇒糖尿病(歯周病が進行している場合)の2つがあります。
①の糖尿病⇒歯周病については、
・糖尿病は歯周病の重要なリスクファクター(危険因子)である
・長期の糖尿病や血糖値不良は、より進行した歯周病につながる
・血糖値不良と歯周病の重篤度(進行)は大きく関係する
などのことが挙げられています。
②の歯周病⇒糖尿病については、
・糖尿病ではない方が血糖値不良となる危険性が高まる
・糖尿病患者が合併症を発症する危険性が高まる
・糖尿病でない方が糖尿病になる危険性が高まる
などが言われています。
歯周病と糖尿病は慢性的な疾患であるため、一度発症してしまうと治癒は難しく、患者さんのQOLの低下にもつながってしまいます。糖尿病にならないために普段の食生活を見直すことと同じように、歯周病にならないように普段から歯磨きをしっかりすることや歯医者さんで定期健診を受けることがとても大切になります。
医学博士で糖尿病専門医の西田亙先生の著書「糖尿病がイヤなら歯を磨きなさい 内科医が教える、お口と体の健康の新常識」にて、歯磨きの大切さを書かれています。
糖質制限より、まず歯磨きを!
当院でも初診の患者さんや定期健診の患者さん含め、歯周ポケットのチェックを定期的に行っています。歯が痛くなってから歯医者さんに行けばいいかなーと思っている方は、歯周病だけでなくいろいろな病気になってしまう可能性もあるということを知っていただければと思います。気になることがありましたらお気軽にご相談ください。お待ちしております!
えんどう歯科・矯正歯科クリニックは、岐阜県関市のお子様からお年寄りまで安心して通っていただける歯医者です。安心・努力・誠意をモットーに皆さまのお口の健康のサポートをさせていただいております。えんどう歯科・矯正歯科クリニックには関市周辺(関、岐阜、美濃、郡上、美濃加茂、各務原)から多くの患者様に来院していただいております。