こんにちは。歯科医師の大森です。
皆さんは息をしている時、鼻で呼吸していますか。口で呼吸していますか。
無意識に口で呼吸している方、寝ている間は口呼吸になってしまっている方、今回はなぜ口呼吸があまり良くないと言われているのかについてお話しします。
口呼吸とはその名の通り口から息を吸い込むことです。
なぜ口呼吸になってしまうのか原因は様々ですが、顔・顎周りの骨格、筋肉、環境、鼻詰まり、癖などがあります。
口呼吸による歯への影響として、まず一つ目に口腔の乾燥により唾液がすぐに乾燥してしまいます。朝起きた時に口の中がカピカピになったり、咳が出たり、喉が痛くなったりそういった症状がでる方も多いのではないでしょうか。
なぜ唾液が少なくなると歯にも影響が出てしまうのでしょうか。
唾液の役割はたくさんあり、歯の再石灰化を促したり外から入った細菌や異物を洗い流し、細菌の繁殖を防ぐ役割や、酸の中和、口臭の予防などあります。なので口呼吸で唾液が少なくなってしまうと虫歯や歯周病のリスクが高まったり口臭がしてしまったりします。
二つ目の影響として口が開いた状態では顎の骨や筋肉の成長を促せず歯が並ぶためのスペースが狭くなってしまいます。そうなると歯並びも悪くなってしまいます。
また口呼吸だと本来は上の顎、上の前歯の付け根あたりに置くのが正しいですが、舌の位置が下に下がってしまうため舌周りの筋肉の衰えにより頬、唇、舌によるバランスが崩れてしまいます。
そして舌を鍛える筋肉も衰え口元のたるみ、二重顎の原因にもなります。
三つ目として口を開けて寝ていると舌が気道に落ちやすく気道が狭くなってしまいます。そうなるといびき、呼吸障害、睡眠時無呼吸症候群、途中で起きてしまうなど健康にも被害を引き起こします。
四つ目は風邪をひきやすくなります。
鼻呼吸だと鼻毛や鼻の粘膜がウイルスの侵入を防ぎますが、口呼吸だとそのまま空気中の細菌が身体の中に入りやすくなるため感染症にかかりやすくなる恐れがあります。
様々な影響を述べましたが、口呼吸は無意識にしてしまうことが多く友達や両親から指摘されて気づくことがあります。口呼吸の原因は様々ですぐに治る訳ではなく、日々意識することが大切です。
口呼吸をやめるだけで、虫歯、歯周病、口臭、歯並び、たるみ、呼吸障害などたくさんのリスクから自分を守ることができます。
歯磨きも大切ですが鼻呼吸も意識して健康な日々を過ごしましょう。
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