えんどう歯科・矯正歯科クリニックのスタッフは「患者様の不安を少しでもなくすことが私ども衛生士、助手の役目」と語り、ブログに投稿しております。

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歯の豆知識

歯の豆知識

知覚過敏について

2023年10月30日

みなさんこんにちは。歯科医師の大森です。

今回は、冷たいものを食べたり飲んだりするとなぜ歯が染みたりするのかその関係についてお話しします。

 

よく歯磨き粉のCMなどで知覚過敏という単語を聞くと思います。

知覚過敏とは正確には象牙質知覚過敏症と言います。みなさん体験したことがあると思いますが、冷たいものを飲んだり食べたり、歯ブラシの刺激で瞬間的に痛みを感じることを象牙質知覚過敏症といいます。

なぜ虫歯でもないのに冷たい風や飲み物、アイスを食べたり、歯を磨いている時に歯がキーンとしみるのでしょうか。

 

まず歯の表面にはエナメル質と言って歯の一番外側を覆っている、人間の体の中でも最も硬い組織ハイドロキシアパタイトが表面を覆っています。

そしてエナメル質の内側には7割がハイドロキシアパタイトで3割がコラーゲンで構成されている象牙質という組織があります。象牙質は柔らかくて弾力があります。

そのさらに象牙質の内側に象牙質に栄養を与えている歯髄という組織があります。また歯髄は神経が通っており痛覚をつかさどります。歯に加わる刺激は全て痛みとして翻訳します。

虫歯になった時にズキズキしたような痛みを生じるのは虫歯が出す酸が歯髄(神経)近くまで溶かして刺激を与えているために起きます。

 

では虫歯でもないのに染みるようなキーンとした痛み、知覚過敏はどこからきているのかと言いますと、象牙質という組織は細管構造という細い管のような構造をしています。この細い管を通じて歯髄へ刺激を伝えています。(象牙質と歯髄がセットで動くことを象牙質歯髄複合体と言います。)

知覚過敏の原因として最も有力と言われているのが、動水力学説です。これは露出した象牙質に刺激が加わると象牙細管内の組織液の流れが急激に変化し歯髄まで伝えることで鋭い痛み、染みる感覚が生じることです。

 

つまり象牙質が露出してしまうことで外部からの刺激が象牙細管を通じて歯髄に伝わり、瞬間的に鋭い痛みを生じてしまうという流れになっています。

 

ではどういった時に象牙質が露出するのでしょうか。

主な原因としては、

  • 歯ぎしりや食いしばりなどの過度なかみ合わせで歯に強い力が加わり歯が破折する、歯と歯茎の境目付近が欠け象牙質が露出する。
  • 歯磨きの圧が強かったり硬い毛の歯ブラシを使って歯を磨くことで歯茎が傷つき、長期的になると歯茎が下がり象牙質が露出する。
  • 歯周病により歯茎が下がり歯の根が露出し象牙質も露出する。
  • 虫歯治療により歯を削り一時的に歯の神経が敏感になり痛みを感じやすくなっている。
  • ホワイトニングで使用する薬剤の影響で一時的に歯が染みる。
  • 加齢により歯茎が下がり象牙質が露出する。
  • コーラやみかんなどの酸性の食べ物、飲み物を毎日摂取することで歯が溶け、象牙質が露出する。

 

などさまざまな原因があります。

 

露出してしまった象牙質の治療法としては、その原因にあった治療となります。

歯ぎしりが強いならマウスピースを使用する、歯磨きの圧が強いなら毛先の弱い歯ブラシを使用しゴシゴシ磨くのでなく小刻みに歯を磨く、歯周病なら定期的に歯垢をとる、加齢で歯茎が下がってきたなら歯科医院でコーティング剤を塗る(このコーティング剤は歯磨きなどの刺激により効果は薄れるため定期的に処置をする必要があります。)

フッ素を塗り再石灰化を促進し歯を強くし再石灰化により露出した象牙質の隙間を埋める、

酸性の食べ物をあまり摂らないようにするなどがあります。

 

「最近歯が染みる」「歯茎が下がってきているかもしれない」「冷たいのもを食べるとキーンとする」「知覚過敏かも?」など少しでも気になることやお痛みがあるのなら我慢せずに歯科医院を受診しましょう。

 

当院では患者様一人一人のお口の状態に合わせた治療法を提案させていただきます。

お気軽にお問い合わせください。

中日新聞2023年9月28日掲載コラム「秋に増加するドライマウスってどんな病気?」

2023年10月26日

秋になると「ドライマウス」が増えると聞きました。どのような病気ですか?

 

秋になると空気が乾燥します、それに伴って口腔内も乾燥し唾液の減少によりドライマウスになる場合が多いです。

唾液減少の原因は、常用薬の副作用・加齢・咬合力の低下が3大原因と言われています、また、

女性に多いのも特徴の1つです。

ドライマウスとは口腔内が乾燥している状態でそれ自体は病気ではありませんが唾液の分泌量が減ると口腔内の自浄作用・殺菌作用・止血作用など唾液の様々な働きが低下して歯周病や虫歯の原因になります。また、口で呼吸することで唾液が蒸発して乾燥することで口臭の悪化・摂食障害・味覚障害・発音障害などが現れることがあります。

原因はシェーグレン症候群(自己免疫疾患)などの病気や年齢による唾液量の低下・緊張・ストレス・薬の副作用などによる交換神経の刺激で唾液の分泌量が少なくなることで起こります。

ご家庭で出来る事は口呼吸を減らす・こまめに水分をとる・リラックスする事で予防出来る場合もありますが内科・口腔外科などでドライマウスと診断された場合は人工唾液と言うスプレーや内服薬が必要な事もあります。先ずは かかりつけの歯科医院で相談されてはいかがでしょうか。

 

タバコが与える口腔内への影響

2023年10月17日

皆さんこんにちは、歯科助手の水野です。

今回は、タバコが口腔内にどのような影響を与えるのかについてお話させて頂きます。

 

私たちの脳には、ほっとする、落ち着く、安らぐなどの気持ちを生み出している神経が存在します。

そういった良い情報の刺激が脳に伝わると、アセチルコリンという物質が出てきます。

アセチルコリンは脳内の神経に結合します。

すると神経が興奮し、電気が流れます。

すると今度は脳の前方のある部位からドーパミンという物質が分泌され、それが幸福感を生み出しています。

 

 

アセチルコリンはヒトの身体の中にある物質ですが、ほかにもこのアセチルコリンに似た物質があります。

それが植物のタバコが作るニコチンです。

タバコを吸って5~10秒もすると、肺から脳へ血液の流れに乗ってニコチンがやってきて、アセチルコリンの代わりにニコチンが神経に結合します。

するとその瞬間、良いことが何もなくても神経が興奮して、ドーパミンが出て幸福感を生み出します。

 

 

タバコはお口の健康にも影響してきます。

歯周病やむし歯だけでなく口腔がんのリスクも高まると言われています。

タバコの煙には約200種類の有害物質が含まれ、そのうち約70種類が発がん性物質です。

 

例えば…

お口の粘膜

・口腔がん

・前がん病変..110

・口内炎

・カンジダ症

 

歯ぐき(歯肉)

・色素沈着

・歯周病

 

・着色

・歯石沈着

・むし歯

 

・味覚減退

・黒毛舌

 

その他

・口臭

・唾液の変化

・子どもの受動喫煙による乳歯のむし歯

 

歯科治療

・インプラント治療の失敗などがあります。

 

また、タバコを吸っている人の歯ぐきは黒ずんでいることが多いです。

これはタールが付着しているのではなく、タバコのニコチンによる刺激で歯ぐきの内部にあるメラニン色素生産細胞が活性化し、組織が黒ずみ、それが透けてみえます。

紫外線の刺激で肌が日に焼けるのと同じ原理です。

 

ですが、禁煙すると歯ぐきへの血流量も改善し、禁煙5日ほどで非喫煙者と同じくらいに回復します。

 

血液は酸素や栄養、細菌と戦う免疫細胞を運んでくれます。

なので、血液が回復すると傷の治りがよくなったり、再感染の防止になります。

そのため歯医者さんは、歯周外科やインプラントなど、外科治療の前には禁煙をすすめています。

このように、タバコが口腔内に及ぼす影響は様々です。

知らぬ間に進行していることがほとんどなので、早めに禁煙していきましょう。

また早期発見早期治療のためにも定期健診をおすすめします。

歯科と関係の深い全身疾患である“糖尿病”について

2023年10月01日

こんにちは、歯科衛生士の木下です。

 

今回は歯科と関係の深い全身疾患である“糖尿病”についてお話ししていきたいと思います。

 

糖尿病とは血液中のブドウ糖濃度が病的に高くなった状態でインスリンというホルモンが上手く作用しない事が原因です。

糖尿病は2つの型に分類されています。

 

1型糖尿病:膵臓の細胞が破壊されてインスリンの分泌が極端に減る

2型糖尿病:インスリンの分泌量が減る、働きが悪くなる

原因は食事や運動などの生活習慣

治療法としては食事療法 運動療法 薬物療法が行われています。

1型糖尿病の場合にはインスリン注射を行います。

2型糖尿病ではまず、食事療法や運動療法が指示されます。それでも血糖値のコントロールがうまく行かない場合は経口の血糖降下薬が処方されて膵臓の細胞に働きかけインスリンの分泌を促します。

お口への影響は??

糖尿病は血管系に影響を及ぼすため、お口の組織に血液が行き渡らなくなってしまい歯肉への栄養供給や修復する能力が低下する症状がみられます。

また、白血球の機能が低下するため歯周病菌に対する歯肉の防御機能も下がり、歯周病が起こりやすくなります。

そしてこの歯周病が重篤な感染症を引き起こす原因となる場合があります。

歯周病は歯周病菌などの細菌によって引き起こされる炎症性の疾患で歯の周りの歯肉や歯を支える骨など周りの組織が溶けて破壊されていく細菌性の感染症です。

最初は腫れや炎症で赤くなりますが痛みを感じる事はほとんどないため知らないうちに症状が進行している事があります。さらに症状が進行していくと歯を支えている骨を溶かして膿が出てきたり歯が揺れてきたりして、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。

歯を失うと・食べ物を噛む力が弱くなる、噛めなくなる・言葉が発しにくくなる・表情が変わると言った変化が起こってきます。

そして糖尿病と歯周病には相互関係があり、歯周病になると歯肉の中で作り出された炎症物質が血液を介してインスリンの効きを悪くする作用が働きます。

糖尿病になると歯周病になるリスクを増やし、さらに糖尿病を加速させていくという負のサイクルにはまってしまいます。

そのためにも定期的な歯科検診で歯周病の進行度をチェックしていく事が重要になってきます。

最初はお口と糖尿病って関係あるの?と思った方も多いと思います。

糖尿病以外にもお口と関係のある全身疾患がありお口の状態が悪くなる事により体の状態も悪くなっていく事があります。

そのためにもお口の健康を保つ事がとても大切になってきます!

皆さんも気になる事がありましたらお気軽にお声をかけください。

 

ストレスからくる不調

2023年09月27日

こんにちは。

遠藤奈穂です。

朝晩がめっきり涼しくなりました。ただ、9月とはいえ、日中は暑い日がまだまだ続きます。

皆様、体調崩されてないでしょうか?

さて、今月は

「ストレスからくる不調」

について

です。

 

歯科には関係ないと思っていらっしゃる方、大変多いですが、

意外と関係あったりもします。

ストレスからくる不調の症状は様々ですが、その中でも高確率で出会う患者様の症状について

今日はお話ししたいと思います。

 

私は患者様とお話し、診断するときにいつも拝見する箇所が。

我々は口の中からのアプローチですので、まず、お口の中を診ます。

どこを診るかというと、

・歯の付け根のあたりの骨の盛り上がり。

・顔の輪郭からの顎の膨らみ

・舌の苔の色

お題にストレスと書きましたが、ストレスといっても色々あります。

原因はいろんなパターンがあるかと思いますが、

精神的なストレスと、身体的なストレスがあります。

そのストレスが反映されるのが、意外と口腔内や、頭頸部分だったりもします。

所謂、体幹の部分に原因があり、頭部分に結果として出てくるわけです。

主な症状として

「食いしばり」です。

 

再三、お伝したことにはなりますけれども、

「TCH」(Tooth Contacting Habit)

と言います。

 

その対策については今回も少し触れますが、

今までも豆知識でアップしておりますので

ご覧くださいませ。

 

ではなぜ食いしばりが発生するのか?

本来人間は食いしばりは発生するべきではない体の構造です。

要はそんな不必要な動きには耐えられなくなっています。

 

本来我々が理想とする上の歯と下の歯の接触している時間は平均大体20分ほどと言われています。

皆様、これを聞かれて、いかがでしょうか?

無意識の方、気をつけて一日ご自身の上の歯と下の歯の接触時間、気にしてみてください。

意外と接触時間が多いのに気付くはずです。

この気付きが大切なのです。

・歯に最近食べたものがイヤに挟まるようになった。

・奥歯が痛いと感じる。虫歯でないと言われた。

でもなんでこんなに痛いのだろう。

・ほっぺたの内側に歯の跡がつく。

・舌の外側にはの跡がつく

・朝起きたらなんだか顎から肩から頭の外側から疲れている

・最近エラが張ってきたなぁ

等々・・・

症状は百人百色かなりあります。

 

ではなぜ?どうしたらこんなふうになっちゃったのだろう?

そこで出てくるのが、「ストレス」の存在なのです。

 

ただ、現代は如何程にもストレスのかからない社会はありません。

それをどうやって逃していくか。それもお金のかからないように・・・。

できます。

 

ではどうやって?

 

それは、意外にも・・

「姿勢」です。

 

骨盤と背骨の位置そして、頭の位置に日々意識をするのです。

口の中に症状が出てきても、原因は口の中だけではないことが多いです。

頭が首から前に亀のように突き出してはないでしょうか?

背中が真ん丸く、そして肩の端が内巻きになっていないでしょうか?

実はこれだけで肩こりの原因になってしまいます。

肩の筋肉と首、顎の筋肉は連動し、繋がっています。

もちろん、こってくると、噛み締める筋肉も縮んできます。

そうすると、TCHに陥ってくるのです。

でも、日々デスクワークで、そんなの不可能です。

 

または、

家庭環境でイライラしちゃって。

というお声も。

いや、不可能ではありません。

では、少し深呼吸してみましょう。

デスクワーク、または家事や育児をされた後にうーーーーんと伸びをする。

これだけでもいいのです。

意外と体は元の位置に戻りたがっていたりします

肩をぐるっと回してみたり。

ラジオ体操の一部をしてみたり。

そんなに激しく何か道具を使わなくてもできることが多いです。

 

深呼吸の目安として、一分間に4から6回を目標に徐々に行なっていきます。

気持ちを落ち着かせて、姿勢を正せたら、バッチリです!!

少しづつでも良いので心がけてあげてください。

今回の内容は、私が日々患者様に向けてアドバイスさせていただく内容の一部です。

定期検診や、症状が明らかな方にはもっと詳しくご説明いたします。

そして、また豆知識ブログにて続編をお伝したいとも思っています。

日々の少しの動きで症状が軽くなるなら、

ぜひ毎日の習慣化にどうぞ。

そして、何より我々の願いであります、

患者様の毎日がもっとワクワクした毎日になりますように。

 

インプラント周囲病変という言葉を聞いたことがありますか?

2023年09月15日

こんにちは。歯科衛生士の吉田です。

 

これから少しずつ寒くなり体調崩しがちな季節になります。いかがお過ごしでしょうか?

 

さて、みなさんはインプラント周囲病変という言葉を聞いたことがありますか?

 

インプラント周囲病変とは、インプラント周囲粘膜炎とインプラントと周囲炎の2つに分けられ、インプラント周りに生じる炎症性病変の総称です。つまりは、インプラントの歯周病です。驚かれる方もいると思いますが、インプラントにも歯周病があります。

そもそも、インプラント周囲組織には歯根膜が存在しません。

インプラントは歯槽骨(=ご自身の骨)と直接結合するオッセオインテグレーションの状態をしています。インプラント周囲病変はこれらに炎症が生じてしまいます。

また、インプラント周囲組織と通常の歯周組織の炎症に対する防御機構も異なるため、歯周組織と比べて炎症が広がりやすいと考えられています。

 

では、インプラント周囲病変を詳しく説明していきます。

まずはインプラント周囲粘膜炎です。これはインプラント周囲粘膜組織に限局した炎症で、炎症の進行が初期のものです。インプラント周囲の歯肉組織のみに炎症がとどまり、骨吸収を伴わない状態です。

次は、インプラント周囲炎です。これは、細菌感染により、引き起こされるインプラント組織の炎症で、インプラントを支えている骨の吸収を生じるため、オッセオインテグレーションが失われてしまっている状態です。

 

これらは、インプラント周囲のポケットを検査するプロービングや、プラーク(=汚れ)の付着状態、炎症状態、エックス線検査などで評価することができます。

 

次に、インプラント周囲組織の治療法についてご説明します。

治療法としてはSPTと呼ばれる、メインテナンスがとても重要です。インプラント周囲の炎症は細菌感染により発症することから、歯周病と同じ様に炎症の除去を行うことがとても重要です。

具体的な治療法としては、プラークコントロールの徹底、機械的清掃(=お掃除)、抗菌療法などです。

その後、再度お口の中を評価し、必要であれば外科処置に移行する場合があります。

 

高度にインプラント周囲炎が進行してしまうと、インプラントを除去することになってしまうので、定期的なチェック、セルフケア、プロフェッショナルケアを徹底していきましょう。

 

当院では、患者様のお口の状態に合わせた治療法を提案させて頂きます。

インプラント周囲病変でお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

喫煙は口の中にどんな影響があるのか

2023年09月01日

 

皆さんこんにちは、歯科衛生士の河合です。

今回は喫煙が口腔や歯周組織にどのような影響を与えるのかについてお話しさせていただきます。

 

皆さんは、日本の喫煙人口はどれくらいか知っていますか?

 

平成29年国民健康・栄養調査の結果では、

現在習慣的に喫煙している人の割合は、総数17.7% 男性29.4% 女性7.2%となっています。

 

厚生労働省では、健康日本21において、

生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底を基本的な方針の柱の1つとして位置づけ、

生活習慣病の重大な危険因子である喫煙による健康被害を短期的ならびに中期的に減少させるため、

『喫煙をやめたい人がやめる』ことを数値化した成人喫煙率12%の数値目標を設定して取り組みを進めています。

 

また、健康増進法の一部を改正する法律では、受動喫煙対策を定め、

望まない受動喫煙の防止を図ることとしています。

 

たばこの煙に含まれるニコチンやタールなどの化学物質は、

喫煙者本人はもちろんのこと、喫煙をしていない周囲の人々にも影響を及ぼしてしまいます。

肺がんを代表とする呼吸器疾患、循環器疾患や消化器疾患などの全身疾患だけではなく、

口腔がんや歯周病の発症にも深い関わりがあります。

 

では、ここで具体的に口腔や歯周組織にどのようなリスクがあるのかお話しさせていただきます。

タバコの煙と接触する歯肉や口腔粘膜は、皮膚と同じように、重曹扁平上皮という上皮で覆われていますが、

タバコの煙の影響は、上皮の厚さやその直下の粘膜下組織に分布する、血管の分布度に依存します。

特に、口腔粘膜は、物質透過性が高く、タバコの影響をとても受けやすいです。

 

喫煙直後は、ニコチンの血管を収縮する作用によって、

歯肉上皮下毛細血管網の血流量の減少やヘモグロビン量および酸素飽和度の低下を起こします。

そして、長期間の喫煙習慣により、逆に炎症が起きていても、歯肉出血が減少してしまいます。

 

そのため、歯周ポケットが深く進行した歯周炎であっても歯茎の検査をした際に出血が少なく、

歯肉のメラニン色素沈着(歯肉の赤黒い着色)もあり、歯肉の炎症症状が分かりにくくなってしまいます。

 

〈喫煙している歯肉炎、歯周炎患者の臨床所見〉

喫煙関連歯肉炎

・肉眼的所見:歯肉のメラニン色素沈着の頻度増加

・臨床検査所見:歯肉炎症やプロービング時の歯肉出血の低下

 

喫煙関連歯周炎

・肉眼的所見:歯肉辺縁部の線維性肥厚(歯茎がゴツゴツした感じになること)歯肉とメラニン色素沈着の頻度増加、歯面の着色

・臨床検査所見:歯周ポケット・歯槽骨吸収の悪化、プロービング時の歯肉出血の低下

・臨床検査結果:重度な歯周炎の頻度増加プラーク・歯石の沈着量と病態が一致しない

 

 

このように

喫煙によって、本来の歯周組織の状態が分かりにくくなり気づいた時には、

歯周病が進行している恐れがあります。

全身の健康だけではなく、口腔の健康のためにも早期の禁煙をお勧めします。

また、定期検診を大切にして早期発見に繋げましょう。

 

ホルモンバランスと口腔内って関係あるの?

2023年08月08日

こんにちは。

歯科衛生士の井上です。

 

今回はホルモンバランスと口腔内との関わりをお話していこうと思います。

歯肉が腫れたり、出血しやすくなったりするのは、

ただブラッシングが上手くできてなくて汚れが溜まって症状がでているだけではなくて、

ホルモンの変化によって起きていることもあるので、

ライフステージ別に説明していこうと思います。

 

 

〇思春期

先ほどもお話しましたが、通常歯茎が腫れる、出血があるなどの原因は

ブラッシングが上手くできていないことが多いといいましたが、

思春期になるとこの特有の症状が出やすくなります。

(思春期性歯肉炎)原因としては性ホルモンの分泌が増加してしまい、

それを栄養とする歯周病菌が活発になり、歯茎が腫れたり、出血しやすくなったりしてしまいます。

また、男性より女性の方が多い傾向にあり、中学生や高校生ぐらいの時期に多いです。

短期間の症状ではありますが、適切なブラッシングで症状がでるのを防げますし、改善もできます。

 

 

 

〇妊娠期

思春期と同様、女性ホルモンが急激に増えてしまうことにより

歯肉の腫れや出血しやすくなる(妊娠性歯肉炎)に症状に加えて、

つわりで嘔吐の繰り返しにより、口腔内が酸性に傾いたり、

歯磨きが適切にできなくなりう蝕のリスクもあがったります。

また、妊娠期にすでに歯周病に罹患していると、

炎症性物質が血管を通して子宮の収縮を起こし、

早産・低体重児出産を引き起こす可能性が高くなってしまいます。

妊娠期となると、いつでも治療できるわけではなく、

妊娠初期(1-4か月)、妊娠末期(8-10かか月)の時期は

簡単なプラークコントロール以外の治療は避け、

妊娠中期(5-7か月)に歯科治療をすることを推奨されています。

 

〇更年期

更年期に入ってくると女性ホルモンが低下し、炎症性物質が増加し、歯肉の炎症が表れやすくなります。

また、エストロゲンの減少により、骨吸収が進んでしまい、骨粗鬆症のリスクが高くなります。

唾液の分泌も減少してしまうので、

口腔乾燥症の症状も見られるようになるため、

それによって、歯周病やう蝕のリスクがあがってしまうこともあります。

今回はホルモンバランスとの関係性をお伝えしていきましたが、

男性に比べると女性はホルモンバランスの変化を若いうちからとても受けやすいです。

 

だからといって何もしないわけではなく、

定期的な歯科検診で未然に防げる部分もあれば、

すでに起きていることも軽減できる可能性があるので

かかりつけの歯医者でご相談していただけるといいと思います。

中日新聞2023年6月29日コラム掲載「40代でも歯列矯正したほうがいい?」

2023年07月26日

40代女性です。小学生の娘が歯列矯正(自費診療)をすることになり、次第に自分の歯並びも気になってきました。この年齢でも歯並びを直したほうがいいのでしょうか。

 

矯正治療には大きく分けて2種類の矯正治療方法があります。1つ目は、乳歯列から永久歯列への生え変わりと成長を利用して歯列を整える小児矯正。2つ目は永久歯列になってから歯列を整える成人矯正です。今回は成人矯正のメリット・デメリットについて代表的な3つをご紹介させて頂きます。

メリット

  • 口元に自信ができ笑顔に自信が持て社交的になれる
  • 歯並びが綺麗になり清掃がしやすくなり虫歯・歯周病の予防になる
  • 噛み合わせが良くなり肩こり・顎関節・食物の消化がよくなりより健康になる

デメリット

  • 治療中の痛み 発音障害が出る場合がある
  • 装置を付けている間に虫歯・歯周病にかかりやすい
  • 治療に時間・費用がかかる

などがあります。成人矯正には年齢制限はありませんが詰め物やかぶせ物が不正咬合に合わせて作ってある場合は作り変えが必要な場合があります。詳細につきましてはかかりつけ歯科医院にご相談されてはいかがでしょうか?

歯科と関わりが深いアレルギーについて

2023年07月24日

こんにちは。

歯科衛生士の渡邊です。

 

患者さんの中には、

「金属の被せ物をいれてから体に湿疹ができてしまった」

「ゴムの手袋で触ると口周りが荒れます」

「アルコールを使うと赤くなります」

と言われる患者さんがみえます。

今回は、そんなアレルギーについてお話していきたいと思います。

 

☆アレルギーとは

生き物には自分の身体を外の敵から守るための、細胞レベルのミクロなしくみ、“免疫”があります。免疫を担当している細胞は、外の敵を見分けて仕事をしていて、無害なものはスルーしておくのがいいのですが、無害なものを間違って相手にしてしまい、その結果自分にとって不都合なことが起きてしまうこと、それが“アレルギー”です。

相手にされてしまった無害なもの(タンパク質でできていて、アレルゲンといいます)は身体に侵略する意図をもっていないので、身体の表面に付着している状態です。

身体の表面は、皮膚と粘膜でできています。そのうちのどこの場所でアレルギーが起きているのか、そして何をアレルゲンとして反応しているのか、それによってアレルギー疾患はアトピー性皮膚炎や気管支喘息といった名前がついていて、異なる症状がみられます。

 

今回は特に歯科と関わりが深いアレルギーについてお話していきたいと思います。

 

 

☆金属アレルギー

歯科では金属を使うことも多く、金属アレルギーも気になります。金属そのものに免疫反応は起こせないので、人体のタンパク質の構造を金属が変化させることで起きると考えられますが、詳しいことはわかっていません。

皮膚パッチテストをすると陽性となることが多いのですが、そのことと症状とが結びつくのかは判断が難しいところです。実際に金属を除去して症状が改善するかどうかで判断せざるをえません。

 

 

☆ラテックスアレルギー

歯科で関係するアレルギーの代表は、ラテックスアレルギーです。これは天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質に対して免疫反応が起こり、症状がみられることです。天然ゴム製手袋、歯科用ラバーダム、歯科矯正用エラスティックなどの接触によって起きます。ラテックスが含まれていない製品を使うことで症状を防ぐことが可能です。

ラテックスと耕造が似ている果物の抗原にも反応が起きることがあり、ラテックス-フルーツ症候群といいます。

アボガド、キウイフルーツ、栗、バナナがハイリスクといわれていますが、それ以外の果物でもアレルギーが起こりえます。

 

アレルギーのある子どもたちは、普段は普通に元気に過ごしています。

ですが、たとえば食物アレルギーがあれば、原因となる食物を食べることができなかったり、間違えて食べると症状が起きてしまったりします。

 

健康を守る私たちは、職種の壁をこえて、アレルギーのある子どもたちの生活を多角的にサポートしています。

お口の中の専門家も、もちろんその仲間なのです。

 

 

当医院では、初めて来ていただいた患者さんに必ず問診を行っております。

その際に薬、食物、ゴム等のアレルギーがある方は問診表に記載していただくか、直接お申し出ください。

 

ご自身が金属アレルギーか不安な方は、被せ物を入れる前に皮膚科に紹介状を書いて詳しく検査を受けていただくようにしています。

また、ラテックスアレルギーの方にはアレルギーが出ないように手袋の種類も変えておりますので安心してご来院ください。

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