私たちは、上と下の歯をしっかりと噛み合わせることで食べ物を砕いたり、つぶすことができます。あなたは、口を閉じたときに上と下の奥歯が同時に触れ合っていますか。どの歯も均等に接触していますか。それが正しい噛み合わせです。触れ合う場所が違っていると、噛む力(咬合力といいます)がアンバランスになり、力が均等にかからずに一点に集中してしまいます。これが悪い噛み合わせ、つまり不正咬合の一つです。

 

まず、噛み合わせが悪いと姿勢が悪くなります。子どもの場合、姿勢が悪いと成長に影響します。また、顎を一方にずらしていると、首や肩の筋肉が疲れます。体はその疲労をカバーするために首を曲げたり方を傾けたりするので、全体的なバランスが崩れます。その結果、頚椎や背骨、腰などにも負担がかかり、ゆがんだ姿勢になってしまうのです。

 

悪い噛み合せによる最大のトラブルが「顎関節症」でしょう。とくに奥歯の噛み合わせが悪いと、あご全体がずれてきます。それによって、額関節の周りで筋肉の異常が起こり、全身的な症状が表れてきます。

 

噛み合わせが悪いと、最近話題になっている睡眠時無呼吸症候群などの原因にもなりますし、内臓疾患や精神面への悪影響もいろいろと指摘されています。その影響はまだ完全には明らかになっていません。